オランダのユトレヒトで行われた日本代表vsガーナのフレンドリーマッチは、日本が後半に逆転に成功し、4−3で日本代表が勝利を収めました。

最初に断っておくと、ガーナはW杯予選を9月6日に終えて9月8日の朝にオランダ入りし、おそらくまともな休養が取れていない状態であり、時差ボケもあったかもしれません。日本が勝ったとはいえ、あくまで本気のガーナではなかったことを認識しておく必要があります。
さて、試合の話を始めましょう。
日本は今回も得意のプレスを仕掛けるサッカーを展開し、ガーナはフィジカルの強さを活かして競り合いを制すというサッカーを見せます。
前回の轍を踏まないようにという意識が強いのか、日本は積極的にシュートを狙っていきます。しかし、ゴールを決めきれずに迎えた前半29分、中盤で中村俊輔がボールを奪われてガーナの速攻を許します。かろうじてコーナーキックに逃れたものの、コーナーキックで長友がハンドを取られ、PKから日本は1点を失います。
何とか挽回を狙う俊輔は積極的にシュートを狙い、危険な位置でボールを奪われたりパスミスや明後日の方向に飛んだフリーキックもあったものの、前半、ガーナに取って一番危険な選手であったように思います。いつもなら、中盤右サイドでボールを受けると良い意味でも悪い意味でも一度タメを作り、ドリブルで中央に入りながら横パスかバックパスをするという感じですが、今日はそれらに加えて前へのシュートがオプションに入っていました。
しかし、残念ながら日本はお約束のようにゴールを割れず、前半はそのまま0-1で終了します。
後半になると本田くんが登場するかと期待をして待っていたのですが、選手交代はナシ。対して、ガーナは4選手を代えてきます。
そして、前半2分、さっそく試合が動きます。ガーナのゴールキーパーのロングフィードからギャンが素早く中澤をかわしてシュートをし2点目をとります。中澤は空中での競り合いには強さを見せますが、速い動きでは振り切られるシーンが多い気がします。
このままワンサイドゲームになるかと思った後半8分、ガーナのゴール近くで競り合いからこぼれたボールを中村憲剛がシュートをし、ゴールキーパーがはじいたもののボールはネットの内側に転がり込み、1-2となります。
後半18分、ここで岡田監督が動きます。長谷部に代えて稲本を投入。長谷部はオランダ戦ではただ一人、安定した動きを見せていましたが、ガーナ戦ではそれほど良いところが出ていなかったように思います。
しかし、流れは変わらず、後半21分、ディフェンスラインの裏に抜け出したアモアーがキーパーをかわしてゴール。ガーナに3点目が入ります。
早く本田くんを出してほしいと思っていたところ、後半25分にやっと岡田監督が重い腰を上げ、前田に代えて玉田を、そして、なんと中村俊輔に代えて本田くんを投入します。そして、ここから日本の猛攻が始まります。
後半33分に長友がパスカットしたボールを受け、玉田が逆サイドネットに突き刺さる見事なゴール。この玉田ゾーンからのシュートはW杯ブラジル戦で見せたゴールを思い出させました。後半34分には稲本からのややオフサイド気味のパスを岡崎がヘッドでゴール。後半38分には長友からのパスを受けた稲本がすぐ横でフリーで待つ本田くんをスルーして中央からゴール。わずか5分間に日本が3ゴールをあげて逆転に成功します。
そして、試合はそのまま4-3で終了。
今日の試合の皮肉なところは、日本代表の中心とも言える中村俊輔が交代してから試合が良い方向に大きく動いたところです。俊輔がいた後半25分までが1-3、俊輔が退いてから(中盤での俊輔のタメがなくなったことにより)日本の攻撃が速くなり、わずか10分後には4-3へと逆転に成功しました。チームが伸び伸びとプレーしていたというコメントすらあるくらいでした。俊輔も何か思うところがあったのか、試合後に勝ったとは思えない表情をしていました。

なお、肝心の本田くんはというと、まだあいかわらずパスがもらえなかったりしたものの、時間が進むたびにチームにフィットしていったように思います。得点はできなかったものの、解説者が思わず「うまい!!」と声に出してしまう見事なパスを何本か出していました。稲本のゴールにしても、中央右でフリーのポジションを取っていた本田くんの存在が相手キーパーの判断を鈍らせたように思います。
それにしても攻撃時の本田くんのポジション取りはなかなかスゴイかもしれません。何度もフリーの状態を作っていました。でもパスが来ないのが代表の本田くんらしいところですね。
しかし、オランダ遠征を勝利で締めくくったのはよかったものの、この2試合で6失点というのは守備陣に何らかのテコ入れが必要ですね。プレスについてもオランダ戦の前半ほどは効いていなかったように思います。これがガーナの身体能力の高さゆえなのか、2トップにして中盤が1枚減ったからなのか、それともオランダ戦の疲れがあったのかわかりませんが、調整が必要ですね。逆にプレスにガンガン行ってなかったおかげで、FWが攻撃に集中できたという感じもあるかもしれません。
あとは、岡田監督が今回大活躍だった稲本を今後どう扱うのか、そして、中村俊輔が抜けた後にやたらスムーズに攻撃が動いたという結果をどう受け止めるのか、さらに、途中出場組の中で完全に乗り遅れた感のある本田くんをどうするのか、が気になりますね。そういえば、俊輔が下がったあとにフリーキックを1本獲得してほしかったですね。本田くんが蹴るチャンスを与えられるのか見極めることができたので。
さて、本田くんの次の試合はというと、オランダ1部リーグであるエールディビジに舞台を移し、9月13日(日)にホームでヘラクレスと対戦することになります。これまでひたすら引き分け続きのチームを勝利へ導けるのか、そして、日本代表の試合では見ることのできなかったゴールを決められるのか、非常に楽しみですね。
なお、日本代表の次戦は10月8日にアジアカップ最終予選として香港代表と戦うことになりますが、本田くんや中村俊輔といった海外組はどうなるのでしょうかね。出るならぜひ観たいと思っています。まぁ、アジア予選なので、できればクラブを優先してほしかったりします。
最後に、試合後の本田くんのコメントですが、こんなことを言っていました。
後半だけで4点取れたのは凄いと思う。こっちがリードしてからは、5点目を取りにいくというよりもボランチに簡単に預けたり、リスクを冒さずにプレーした。前回は自分が出て悪い方向に出たので、今日は何もしてないですが、チームが勝ててよかったと思う。短い時間で正直自分のプレーが出せなかったというのが本音。
4-3と逆転勝ちはしたが、少し厳しくこの試合を見る必要もあると思う。前半に点が取れるシーンがたくさんありながら、それを活かせなかった。結局、リードされて相手はメンバー代えているし、こっちとしては勝ったけど、舐められている気がしないわけでもない。ただ、勝ちは勝ちなので、向こうも言い訳はできない。厳しく、客観的に見れれば、今日の最後20分みたいないい時間帯が増やせると思う。
(この遠征を通して、自分の代表に置ける地位は上がったと思うか?という質問に対して) 今日は何もしてないので…。ただ、とりあえず、フィットはできるよ、というところは見せれたと思う。そのなかで、自分のよさが消えたら意味はないが、今日はチームとしていいイメージでできた。
あいかわらずしっかりしていると思います。私も本田くんはチームにフィットしつつあると思うので、これからも代表での存在を少しずつ大きくしていってほしいです。
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