Appleの次期OSであるMac OS X 10.6 Snow Leopardのリリースが近づいてきました。

Snow Leopardの特徴は、何より、新機能を搭載しないという点です。
もちろん、Microsoft Exchange Serverサポートといった企業ユーザーへの目玉機能もありますが、Apple自体が安定化に重点を置いていると語っているところからも、今回のポイントはまさにそこにあると言えそうです。
Appleはこれまで、大幅な機能追加を行ったバージョンの次は安定バージョンをリリースするという手法を採っています。10.0に対する10.1、10.2に対する10.3、そして、10.4 Tigerと10.5 Leopardに対する10.6 Snow Leopardという形です。これにより、Mac OS Xは、何故か新バージョンの方が動作が軽いというWindowsに比べてめずらしい特徴を持っていると言われています。
LeopardからSnow Leopardへとアップグレードを行うと、OS全体のスピードが遥かに向上するようです。現在、数値が出ているのはOSのインストール速度のみですが、これは45%も速くなるようです。ただし、これはOS全体の容量を6GB分もシェイプアップしたことによるものではないかと個人的に考えています。OSのインストールは基本的にはファイルのコピーであり、今さらソフト側のチューニングでスピードアップするようなものでもないと思います。

では、OSの速度向上はただ軽量化によるものかというとそうではないようです。Snow Leopardの核とも言えるのが、今回搭載されるGrand Centralという技術。近年、CPUでは動作周波数の向上は頭打ちとなり、マルチコア化へとシフトしていますが、2コアや4コアまでならまだしも、それより多くなるとプログラムでの制御はお手上げになると言われています。そこで出てきたのがGrand Centralで、並列化されたタスクをOSが効率よく適切なコアに割り振ってくれるというテクノロジーです。また、パワーマネージメントとして使用していないコアを停止し、消費電力を抑えることも可能です。

他にも、General-Purpose Graphics Processing Unit (GPGPU) という技術も搭載されています。これは、GPUをグラフィック表示以外に、一般的なコンピューティングタスクに利用するもの。これまでは、グラフィックを使用しないタスクではGPUが休んでいましたが、今後はGPUの力を他の計算にも利用できるようになります。高性能なGPUを搭載していてもゲームをしないため宝の持ち腐れ、といった状況を著しく改善できそうです。
次に、シェイプアップの話に戻りますが、6GBの削減というのは、Leopardに搭載されていた不要な壁紙やサウンドをただ削除したというような話ではありません。もちろん、システムにムダな6GBものプログラムがあったわけでもありません。つまり、これは必要だった6GBを削ったということ。

機能を削るというのは非常に勇気がいることです。今回、Appleが削ったのは、PowerPCのサポート。これにより、Snow Leopardがサポートするのは、Intel Macのみとなります。他にも、意外と知られていないのがQuickTime。もちろん、Snow LeopardでもQuickTime Xという名前で存在しますが、これはある意味、全く新しいものと言えます。これまでのQuickTimeでは、多くのメディアフォーマットをサポートし肥大化していましたが、思い切って古いものを切り捨て、H.264やAACといった新しいフォーマットをベースに生まれ変わったのがQuickTime Xです。もちろん、古いコードを捨てただけではなく、これまでPro版でのみサポートしていた多くの機能、たとえば、非常に簡単な動画のトリミング(切り出し)などを搭載しています。
QuickTimeのようにSnow Leopardで生まれ変わるものがまだ他にもあります。それは、Mac OS Xで最もよく使われているアプリケーションであるだろうFinderです。これまで、互換性のためにCarbonという古いフレームワークをベースとして書かれていたものを、Cocoaという新しいフレームワークをベースに書き直しています。これによりLeopardで残っていた32ビットアプリが続々と64ビット対応アプリへとシフトしていくことになり、本格的な64ビット環境によるパフォーマンス向上が見られそうです。

まさに、Snow Leopardはこの先10年を見据えたOSへと変貌していると言えそうですが、AppleのすごいところはそんなOSをLeopardからのアップグレード価格としてわずか29ドルで提供するというところ。とはいえ、Tiger以前のユーザーの場合は、アップグレードに169ドル必要になるようです。ただし、こちらのパッケージには、iLife 09とiWork 09が含まれるMac Box Setとなっているようで、これはこれでかなりお得と言えそうです。
Mac OS X Snow Leopardのリリースは、早ければ8月後半、遅くても9月中となっており、Macが大好きな人たちは1ヶ月後にはSnow Leopardをバリバリと使ってそうです。
私は、4コアMacBook Proが登場するタイミングでSnow Leopardもスタートしようかと考えています。
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